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非正規保育士へのインタビュー企画

 

 東京保育ユニオンは、都内に働く、公立保育園非正規労働者、関連労働者、委託先で働く仲間でつくる労働組合です。公立保育園では非正規労働者の割合が高くなっており、非正規への依存が強くなっています。私たちは、そんな非正規労働者たちの働く姿や保育実践について、もっと知って欲しいと考え、組合員らにインタビューを行なっています。

 東京保育ユニオンに加盟する、仲間の働く姿や、保育実践について、語り、広く知って欲しいと考え、組合員らにインタビューを行なっています。「私も同じ!」「あるある」など、共感してもらえる部分もあるのではないでしょうか

   組合員インタビュー3  Kさん

 ◆保育補助になったきっかけは?

 知り合いから特例パートの仕事があると聞き希望しました。当時は6か月更新で「特例パート保母」という名称でした。朝と夕方2人体制で、園長から、組織の中で働くことと、「出すぎないよう、しかし遅れないように。と言われたことを覚えています。

 インタビュア:確かに、いまでも正規より出すぎてはいけないが、仕事はスピーディーに。が基本と言われますよね。

◆仕事をしていて良かったことは?

 時には、作業や雑務ばかりをするように言われ、子どもと関われないなら、辞めようとも思ったこともありました。そんなとき、「Kさんがいれば、100人利器だよ」と言ってくれた人もいて、もう少し頑張ろうと、この言葉で救われました!

公共一般をたちあげたとき、役員になったきっかけは?

 「悩みや仕事について、話し合いしませんか?」という声がかかり参加しました。非正規には休暇がなく、「おかしい!」と労基署に行ったことが始まりでした。その中で、当時の「都区一般」が結成され、私は、組合費の集金を担当。この時から役員になって今に至ります。

◆保育のなかで、良かったと思えたエピソードは?

☆乳児クラスで、先日はパズルをしているときに、「どこかな~?って、魔法のコトバだよ」と声を掛け、一緒にやっていくうちに、できるようになったんですよ~。今ではパズル得意になりましたよ!

♡いつも下を向いて歩いているAちゃん。「Aちゃんは、にっこり笑っていると、かわいいお顔だよ~」と声をかけたら、次の日から笑顔で「おはよう!」とあいさつして来てくれました。

☆支援児とのコミュニケーションに苦労しました。しかし、徐々に彼の要求が分かるようになりました。それをいつも見ていた女の子が、卒園するときに、手紙を渡され、「いつもありがとう。だいすきよ。」と一生懸命に書かれていて、感激しました。仕事をしていてよかった~!と思いましたね。

♡この仕事って、「子どもに教えられている」「子どもはちゃんと見ている」と感じます。

少し前に、卒園児が大きくなり、一緒に働く機会がありました。小さいころのことをよく覚えて、その子が、かわいく描いてくれた似顔絵を未だに持っています。

◆組合についてどう思いますか?

仕事をやめようと思ったときに、「組合はいざとなったら力になるよ」と仲間が励ましてくれました。心強いです。また、自分自身の働き方が変わりましたよ。

自分たちが、改善の要求をするからには、仕事について責任を持たなければならないと思うようになりましたねー。自分は主婦ではあるが、けじめをつけ、突発の休暇は取らない。など、『仕事は仕事』。と働く姿勢が変わりましたね!

◆気をつけていること、考えている事があったら教えてください。

「全体を見られるようにし、子どもには背を向けない」ようにしています。また、何かあったときにすぐ動けるように自分も運動もしていますよ。ウォーキングしたり、エスカレーターは使わないようにしたり、機敏に動けるように努力していますね。職場でも、Kさんは走れるのね。と感心されたこともあります。

 人間関係がうまくいけば、楽しいし、保とうともしています。 こどもの安全は、職員同士の連携があれば、守れると思います。いまの園では、正規職員ともいい関係だし、補助員同士も、連携がとれています!

 私の勤務は、毎日早番、遅番の時間帯です。お迎えが遅く、さみしい思いをしている子に、楽しい空間を提供しようと努力しています。掃除などの雑務もしているが、手薄な時間帯だからしっかりやりたい。土曜日もローテーションで勤務していますが、いろいろやらせてもらって嬉しいです。保育園って楽しいです!

 

インタビュア:長い期間組合の役員を続けてこられたとのこと。信頼されているからこそ仲間と連携が取れるのではないでしょうか?また、働き続けるために、運動をしたり、職場の中で連携を取ろうとするなど意識が高いですね。頭が下がります。

組合員へのインタビュー企画! NO2

 東京保育ユニオンに加盟する、仲間の働く姿や、保育実践について語り、広く知って欲しいと考え、組合員らにインタビューを行い、さまざまな経験、悩みや思いを語ってくれました。紹介します。

 

◆保育士になったきっかけを教えてください。

A:親のすすめで、「保育資格は一生使える」と近くの短大に入りました。近所に就職の話もありましたが、東京に出たかったので上京し、はじめは病院内の養護施設のようなところで、3年間。その後も通所施設にフルタイムで勤務しましたが、3人目の妊娠中に体の無理を感じて退職しました。同時に現在の住まいに転居し、子育てが落ち着いたので、近くの保育園で非正規として勤務することに。

◆非常勤になったきっかけは?

A:公立で働けることを知り、ブランクもあったので、はじめは保育園用務として勤務しました。「資格があるなら…」と園長の薦めで非常勤保育士の試験を再度受け、支援児対応の仕事を希望しました。

◆組合についてどう思った?

A:採用時、社会保険の書類に保育課の間違いがあり、おかしいと思った仲間と共に抗議したことがありました。はじめ聞いてもらえなかったのに、区職労の書記長が同席したら、すぐにOKになりました!

 週24時間勤務だったのですが、社会保険をつけさせました。この時、組合の大きな力を感じました。

◆正規、非正規の違いは何だと思いますか?

A:一言でいえば、「給料」と「昇給」ですね。保育園は、正規あっての保育園という感じで、仕事内容も、支援児の介助や、助手的な事しかできず、一歩下がり、遠慮しながら働いている状態です。

 今年は、勤務時間が午後からなので、ケガのないように見守りながら、片付けなどの仕事をしています。しかし、子どもと向き合う感覚が、午前中の保育とは違うように感じます。保護者対応はありません。

◆気をつけていること、いつも考えていることなど教えてください。

A:気をつけていることは、『目線の高さ』です。出勤してすぐは幼児クラスに入りますが、午後の中途半端な時間なので、どう声を掛けてよいか悩みます。その後は1歳児クラスに入ります。毎日短時間しか関わらないので、最初は毎日泣かれました(^^;)。でも今は、私が行くと笑顔で迎えてくれるようになり嬉しいです!(^^♪。

 私の名前は呼びやすいようで、担任より早く覚えて呼んでくれるようになったんですよ~。今では「抱っこ~」と来てくれるようになりかわいいですね~♪

 夕方の勤務は、消毒や清掃等で目まぐるしく、ゆっくり子どもと向き合う時間がありません。何というか…保育というより、仕事をこなしている。という感覚です。本当に忙しい。

 土曜日も毎週勤務していますが、土曜日登園の子は、少人数、で濃い時間を過ごすことができるんですよ。信頼関係は正規の方があると思いますが、甘えが出せるのは、私たち非正規の方があるかな?と思います。子どもたちも、正規担任との違いをわきまえているところがありますね。

◆やりがいと思うことは何ですか?

A:職場の仲間とから「楽しくない。つまらない、やめたい」と言ってる人もありますが、子どもはかわいいし、楽しいです70歳までは頑張って働き続けたいと思っています!

そのためには雇用更新年限撤廃して欲しい。頑張ります!

インタビュア:まだまだ働きたい意欲があるのですね!素晴らしいです。これからもどうぞよろしくお願いします!

今回は、都内公立の会計年度任用職員のAさんです。Aさんは民間での正規職員経験もあり、さまざまな経験、思いを語ってくれました。

◇ 保育士になったきっかけは?

A: 幼い時から、親戚の子の面倒を見る機会があり、保育士に憧れていました。保育実習をした園から誘われ、そのまま民間園に勤務しました。リトミック指導(音楽リズム)やモンテッソーリ教育の研修や資格も取り、忙しい毎日でしたが、やりがいがありました。

◇非正規保育士になった理由は?

A: 出産をきっかけに退職し、一段落したので今の園で働き始めました。はじめは朝夕パートの臨時職員として働き、その他にも、リトミック教室でWワークもしていました。その後、現在の勤務に至ります。その間、1年限定の嘱託職員の募集があり、勤務したこともありが、その時は正規職員として動いていました。

正規の仕事も経験しているとのことですが、正規とで業務上、異なる点はありますか。

A: 会議に出るか否かだけで同じですね。嘱託の時は、会議資料や情報が共有され、働きやすく、正規職員ともコミュニケーションが取れました。今は情報がおりず、かえってやりにくい部分もあります。また、残業ができず時間内に終わらせなければならず、余裕がない感じです。

 

印象に残っている保育実践についての出来事やエピソードがあれば、教えてください。

A: 重度の障がい児を受け持ったことが心に残っています。言葉が話せなかったので、なにを考えているのかについて、真剣に取り組み大変でしたが、コミュニケーションを図って卒園まで付き添いました。保護者とも信頼関係をとり、卒園後もいまだに、成績表や、写真を送ってくれます。パートの職員でも、心寄せてくれる子どもと保護者がいることが誇りであり、やりがいであり、私の力になっていますね。その経験が今でも支えにがんばれています。

◇保育実践をする上で気をつけている点や、意識していることはありますか。

A: 保護者との関係は気をつけています。簡単な報告をしたり、挨拶したりする程度です。対応によってはトラブルになるので、正規職員からも声をかけないように言われています。

子ども家庭相談や児童養護施設などが関わる家庭も昔よりも多くなっていて、子どもよりも保護者とのコミュニケーションは非常に慎重にならざるを得ません。

◇他に正規との違いはありますか。

A:気持ちの持ちようは全然違うとは思います。責任を負っているのが正規で、大変な重圧があると思います。ただ、保育実践や、業務は同じことをやっていますね。それにもかかわらず、非正規の賃金レベルは格差がとても大きいと思います。私の勤める保育園では、非正規の職員も本当に熱心で、意識が高く、けっして「子育ての延長」というレベルではありません。

ンタビュア:なるほど、非正規でもみなさん熱心に保育に向き合っておられるのですね。本日は貴重なお話ありがとうございます。

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